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滯英日記 >> ヨーク(3)

■モンク・バー Monk Bar

ヨークの四つ残る門楼のひとつ。街の北東の守りであり、ミクルゲート・バーとはちょうど対角の位置にある。
モンク・バーの最上階の部屋はリチャード3世によって付け加えられたと言われ、そのためか、現在、内部はリチャード3世博物館となっている。

 

細い階段を上がっていくと、二階(英国風にいうなら一階)にチケット売り場と売店。
入り口に、リチャード3世の人形が「ようこそ」という感じで立っている。
ここで入場料を払い、さらに上階に上がると、法廷のようなセットがあらわれる。

ここにもリチャード人形が。

「ロンドン塔の二王子」殺害についてリチャードが裁かれる、という設定で、証人の証言がテープで流されている。
一通り聞いたら投票ができるようになっているのだが、ここのリチャード人形は髪を振り乱していて顔色もどす黒く、人相も悪い。
ついでに言うと衣装も安っぽい。
500年も裁判やってたらやつれるのも無理はないが、これでは裁判官の心証が悪くなるんじゃなかろうか。

投票結果は入り口近くのホワイトボードで発表されていたがリチャードが有罪と考える人が多数派のようだ。

傍聴席の後ろにはタブロイド風の解説板がある。


「法廷」の壁の背後に回りこむと、ここにも展示が。リチャード3世と妃アン・ネヴィルの結婚が恋愛結婚であったことが強調されている。
見づらいが一番下のクリーム色の紙は結婚パーティーで出される料理のメニューという設定。
「ヴェジタリアンメニューのご用意はありません」。
周辺にはリチャードに近い(?)人々からの祝福メッセージが貼られている。

 

 おめでとう! 今日は俺のおごりだ! ―お前の兄 クラレンス
 おとうさまへ 庶子のジョン・オブ・グロスターとキャサリン・オブ・プランタジネットより
 リチャードとアンへ フランスから祝福を送るよ! 早くそっちに行きたいな ―ヘンリー・テューダー 


メモを取り忘れてしまったがもうひとつバッキンガム公からのメッセージもあった。人選がブラックです。
写真の下半分に写っている横木のようなものは、落とし格子を操作するための装置の一部。

部屋の 隅にはかつて独房として使われていたスペースが残る。
写真左は世界一小さな独房だそうで、エリザベス時代のカトリック信徒Alice Bowmanらが監禁されていた。
右はトイレつきの「デラックスな」個室。


さらに上の階に上ると、広い部屋一面を使ってパネル展示をしている。

この博物館、全体的に文化祭みたいな手作り感が満載でとにかく野暮ったいのだが、ひとつひとつがやたら凝っているので、丁寧に見て行くとけっこう時間がかかる。

屋上には上れなかったが(「安全のため、陛下が上階への立ち入りを禁止しています」との貼り紙あり)そこに至る階段を使って処刑場が作られていた。



「首斬り役人が休暇中のため、
あなたの死刑執行は延期されました」


最後に売店を覗く。リチャードグッズで溢れているかとわくわくしていたのだが、期待していたほどではなかった。それどころかテューダー朝グッズが多かったりして腑に落ちない。もうちょっと頑張って欲しい。
といいつつ、絵葉書などを購入。

■城壁(モンク・バー〜ブーサム・バー) City Wall

モンク・バーを出ると、そのまま下には降りず、城壁をつたってブーサム・バーを目指した。人気のルートだというが、あいにくヨーク・ミンスターが工事中ということもあって、あまり眺望は良くない。城壁を堪能という意味ではウーズ川〜ミクルゲートバーコースの方が面白かった。
ブーサム・バーで地上に降り、一度市外に出て写真を撮った。ブーサム・バーの向こうにヨーク・ミンスターが見える。


Music from the Time of Richard III という古楽のCDがあり、ジャケットでは演奏者であるThe York Waitsの面々がこの風景を背に写っていた。



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