東方への旅
 2009.11.12-11.23


■日程


2009.11.12(木)

成田→フランクフルト フランクフルト(1)

2009.11.13(金)

フランクフルト(2)
ブーヘンヴァルト強制収容所
ヴァイマル

2009.11.14(土)

エアフルト アイゼナハ ツェレ(1)

2009.11.15(日) 

ベルゲン=ベルゼン強制収容所(1)(2)
ツェレ(2)

2009.11.16(月) 

ハノーファー ノイエンガンメ強制収容所
ハンブルク

2009.11.17(火)

ベルリン(1)(2)

2009.11.18(水)

ラーフェンスブリュック強制収容所(1)(2)
ザクセンハウゼン強制収容所(1)(2)
ベルリン(3)

2009.11.19(木)

ベルリン(4)(5)(6)

2009.11.20(金)

クラクフ(1)(2)

2009.11.21(土)

アウシュヴィッツ基幹収容所(1)(2)(3)
アウシュヴィッツ第二収容所ビルケナウ(1)(2)
クラクフ(3)

2009.11.22(日)

クラクフ(4) 
クラクフ・バリツェ空港〜フランクフルト国際空港

2009.11.23(月)

→成田

◇参考文献

 

■旅の目的

4年ぶりに海外旅行に行ける見通しが立ったとき、迷うことなくドイツへ行こうと思った。ナチス・ドイツの強制収容所を巡る旅。人からは「物好きな」と呆れられたり眉を顰められたりしたけれど、決して興味本位の思いつきではなかった。
あまりにも月並みで恥ずかしいのだが、ホロコーストに関心を持ったきっかけは、アンネ・フランクの「日記」である。私はアンネと同年齢の頃に「日記」の完全版を読み、50年の時を超えて彼女に魅了された。そこにいたのはナチスに迫害されるかわいそうな犠牲者ではなく、聡明でたくましくユーモアに溢れた同世代の女の子だった。日記に「キティー」と名づけて語りかけるスタイルも、まるで自分自身が親しい打ち明け話をされているかのような錯覚をもたらした。
しかし、「日記」は1944年8月1日を最後に突然断ち切られる。この三日後の8月4日にアンネは逮捕され、そして再び帰ってくることはなかった。アンネ・フランクは二度と語ることができない。もう彼女の言葉を読むことは永遠にできないのだ。衝撃とともに私は彼女の死を実感した。
衝撃が去ったあとにやってきたのは「知りたい」という欲求だった。アンネが連行されてからドイツのベルゲン=ベルゼン強制収容所で亡くなるまで七ヶ月。その間にいったい何があったのか。彼女が最期に見た光景とはどんなものだったのか。そして、あれほど生き生きとして魅力的だった彼女を死に追いやったものが何だったのか。なんとしてでも知りたい、いや知らなければならないと思った。その思いこそが、当時から現在に至るまで、私の目をホロコースト史に向けさせる直接の原動力となっている。

今、私の手元には一枚の紙がある。アンネ・フランクが生まれてから死ぬまでの足取りを記した地図だ。図書館で借りた本をコピーしたものだが、15歳の私はこれにさらにいくつかの強制収容所の名前を書き込み、線をひっぱって、ペーター・ファン・ペルス、アウグステ・ファン・ペルス、フリッツ・プフェファーの足取りを付け足している。隠れ家のメンバーのうち、アンネの両親とヘルマン・ファン・ペルスの名前がないのは、彼らがアウシュヴィッツに留まったからだ。アンネの姉マルゴー・フランクはアンネとまったく同じ道をたどっているので、やはり省略されている。
ザクセンハウゼン、ブーヘンヴァルト、ノイエンガンメ、テレージエンシュタット……今にして見ればびっくりするほど子供っぽい字で書きつけながら、私は地名を記憶に刻み込んでいった。まだ親元にいて、国外どころか関東地方から出たことさえほとんどなかったけれど、それでも、いつか、と思った。私はいつかこれらの地を踏むだろうと。
今回の旅行の計画は、この地図を作った15歳のときにすでに生まれていたのだと思う。

■航空会社など

せっかくドイツに行くのだから、とまずはルフトハンザを検討。しかしルフトハンザの割引率の高いチケットは発券後の変更・取り消しが不可(つまり、キャンセル料=航空券代全額)と知り、震え上がってやめにした。ドイツ人の厳格さを思い知らされた気がする。私が憧れのルフトハンザに乗れる日は来るのだろうか。
比較検討の結果、値段とスケジュールで折り合いのつくところはANAとJALしかなかった。日系はなるべく利用したくないのだが背に腹はかえられない。経営難で暗いニュースの続くJALは避け、より好感の持てるANAを選んだ。行きは成田−フランクフルト、帰りはクラクフからフランクフルト経由で成田というスケジュール。
ドイツ・ポーランド間の移動は夜行列車を利用することにした。


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