東方への旅 >> クラクフ(3)

クラクフ Kraków


外側から「死の門」を望む


線路の途切れるところ


シャトルバスでアウシュヴィッツまで戻ると、駐車場の隅にちょうど15:05発の国営バスが到着したところだった。
一番前の席に腰を下ろす。私の後ろには日本人男性とポーランド人女性が座っていて、その会話がいやでも耳に入ってくる。ポーランド人女性は流暢な日本語を話していた。
「民主化されて、生活は良くなりましたか」
「そうですね。ただ、今は教育や医療が有料になってしまったので、そこは前の方がよかったと思いますね」
少しうつらうつらする。隣席の白人女性も上着の襟に顔を埋めて眠っていた。

目を覚ますと出発から一時間くらいが経っていた。
クラクフに到着する様子は一向にない。ガラスに額を押し当てて外を覗いたが真っ暗で何も見えなかった。
乗客は一様に押し黙って、何かに耐えているかのようにじっと座席に座っている。誰もが疲れきっているようだった。

クラクフのバスターミナルに到着した時は出発から二時間ほど経過していた。
ホテルに荷物を置き、疲れた体を奮い起たせて、旧市街へ食事を取りに出かけた。
週末のクラクフの夜はとても賑やかで、観光客や地元の人がそぞろ歩いている。石造りの建物のところどころから柔らかい灯りが漏れてくるのもどこかなつかしい。

Gospoda Hulajduszaという「地球の歩き方」に乗っていたバルへ行ってみることにした(今回の私はかつてないほど歩き方を参考にしている)。
店内は空いていて、中年男性二人組と、学生風の若者の三人が食事をしていた。
カウンターで指をさして料理を選ぶと、トレイに載せて渡してくれる。会計もカウンターで済ませるという手軽さが異邦人にはありがたい。


私が選んだのはジュレックと、チキンを煮たもの(マッシュポテト添え)。
ジュレックはきのうの店よりこってりしていて、とんこつラーメンのスープを連想させる味わいだった。




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