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バリャドリッド Valladolid

Todos los bienes del mundo
pasan presto y su memoria
salvo la fama y la gloria
Todos los bienes del mundo──Juan del Enzina

フェリペ2世がマドリッドを首都と定めるまで、バリャドリッドはトレドと並ぶカスティーリャ王国第一級の都市だった。それだけに歴史的なエピソードにも事欠かない。カトリック両王が結婚し、コロンブスが没し、セルバンテスが暮らした町、フェリペ2世や、後にルイ13世に嫁いで太陽王を産むアナ王女(アンヌ・ドートリッシュ)が産まれた町でもあった。
メディナ・デル・カンポから電車にてバリャドリッド・カンポ・グランデ駅に帰還した私は、当初の予定どおり徒歩で国立彫刻美術館に向かった。
駅とバスターミナルは町の南側の新市街にある。一方、北側にはプラサ・マジョールとカテドラルを中心に歴史地区があり、彫刻美術館などの古いモニュメントはこの地区に集中していた。旧市街と新市街の中間には、カンポ・グランデと呼ばれる大きな公園が広がる。
この公園を突っ切って、プラサ・マジョールをすり抜け、カテドラルやサンタ・マリア・ラ・ヌエバ教会を横目で見つつ歩くこと約30分。珍しくほとんど道に迷わずに到着した。

■彫刻美術館 Museo Nacional de Escultura

公式サイト

彫刻美術館は思ったよりも広く、入り口が三つもある。チケット売場のある建物から見ることにして、最初の展示室に入ると、いきなりフアナの肖像画があった。

Doña Juana I de Castilla
カスティーリャ女王フアナ1世

※クリックで拡大します

時間がないので、とりあえず一番好きな16世紀あたりの宗教彫刻から見ていく。フアン・デ・フニやグレゴリオ・フェルナンデスの等身大の聖人像がよい。滴り落ちる血の表現などは生々しくリアルで、嫌いな人には堪らないだろうが好きな者にも逆の意味で堪らない。
しかしこういったものはやはり教会や大聖堂で見たほうが感動が増すような気がする。隈なく明るい美術館のショーケースは、これらが本来あるべき場所ではないからだ。仏像だって展覧会よりも寺に参詣して拝むほうがずっと良い。
宗教彫刻以外では、18世紀の、数十体のこぶりの彫刻(というより、ちゃんと布でできた服を着ていて人形風)でパノラマを作ったもの)が目をひいた。一体欲しい。
そうこうしているうちに2時になり、追い出される。

■サン・パブロ教会 Iglesia de San Pablo


彫刻美術館のすぐそばにあるサン・パブロ教会は、カルロス1世の長男フェリペ2世が洗礼を受けた所。
シモン・デ・コロニア作のファサードが見所と聞いていたが、修復中のようでシートがかかっていた。

カデナス・デ・サン・グレゴリオ通りを挟んでサン・パブロ教会の向かい側にある建物も、古くてなにやら由緒ありげである。
壁にプレートがついていたので読んでみると「フェリペ2世生誕地」とあった。


このように見るべきものはいくらでもあるバリャドリッドなのだが、今日はもう一カ所、トルデシーリャスを訪れなければならないのであまりのんびりしてはいられないのだった。
トルデシーリャスはフアナ女王が幽閉され、亡くなった町。ある意味今回の旅の山場なのでどうしてもはずせない。
時間があればカテドラルにも入りたかったし、サンタ・マリア・ラ・ヌエバ教会も見たかったし、セルバンテスの家や、イサベルとフェルナンドが結婚したというビベロ館にも行きたかったのに。というか、シエスタというものさえなければ十分まわれたのに………。
昼食をとるために町に出て来た人たちで通りは賑わっていた。

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