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2005.9.24(土)

トレド Toledo

Montes del Tajo escuchad
que buelbo a cantar mis penas
lisonjas son de las aguas
y suspensíon de las selbas
 Montes del Tajo escuchad──J.Marin

今日もびびりながら地下鉄を乗り継いで、南バスターミナルへ。休日は首締め強盗の動きが活発になるというので、私の「人を見たらドロボウと思え度」もMAXだ。(でも特別やばい雰囲気はなかった。)

トレド行きはContinental Auto社のバスで所要約1時間。
10:00発のバスにギリギリで乗りこむことができた。乗客は観光客ばかりのようだ。
マドリッド郊外を抜けしばらく走ると、窓の外には「ラ・マンチャ」と聞いて想像するとおりの赤茶けた大地が果てもなく広がる。つらなる丘陵に目を凝らしても人家の一つも見えない。
ヘレス酒(シェリー)の老舗ティオ・ペペの牛の看板が建っている。スペイン名物としてLonely Planetの表紙にもなっているが、国内では「風土性が強すぎてちょっとどうよ」という声もあると妹が言っていた。日本で言うところのフジヤマゲイシャみたいなものだろうか。
あまりの殺風景さに外を眺めるのにも飽きはじめた頃、前方にブリューゲルが描いたバベルの塔のような町が見えてきた。

トレドのバスターミナルは思いの外さびれて薄暗い雰囲気。町の中心部までは徒歩でも行くことのできる距離だけれど、これからたくさん歩くことを考え、ここで市バスに乗り換えることにする。
他の乗客につられてつい上階に上がってしまったが、市バスの停留所は長距離バスが発着するのと同じフロアだった。またエスカレーターに乗って下へ戻る。
市バスはほぼ15分置きに運行している。終点はソコドベール広場だが、あえてビサグラ新門で降りて、そこからは歩いて入城するつもりだった(古都には「入城」という言葉が似合う)。が、降りそびれてうっかりビサグラ新門通過。気が付けばソコドベール広場だった。ああ、バスで入城とは味気無い。
ソコドベール広場はなんだかごみごみしている。その上何かのイベントがあるのか、音楽が大音量で流れていてうるさい。
近くの観光案内所で、城壁の外を1周する観光用ミニトレイン「ソコトレン」のチケットを購入した。これで「トレド全景」を見ることができる。

カテドラルではイサベル・ラ・カトリカ展なるものをやっているらしく、街は至るところイサベルだらけだった。

■アルカサル Alcázar

チケットに記載された時間まで少し余裕があったので、アルカサルの前まで行ってみることにした。現在修復中で入れないはずなのに、人が次々に中に消えていくと思ったら、アルカサルの一画が図書館になっているらしい。

外観を見る限りでは堅牢なばかりであまり美しいとは思えない建物。イスラムの要塞を起源とし、キリスト教徒によるトレド奪還後は代々のカスティーリャ王の手で改築を繰り返され、13世紀から15世紀の間にほぼ現在の形になった。フアナは1479年11月6日、ここで産まれている。
アルカサルはその長い歴史の中で様々な戦闘の舞台にもなった。最近ではスペイン内戦中の1936年、モスカルド大佐率いる反乱軍が立て籠っている。

ソコドベール広場に戻ると、私が乗る予定のソコトレンが待機していた。「向かって右側にトレドの風景が見える」との情報を事前に得ていたので、しっかり右側の席を確保。

ソコトレンは太陽の門を出て、タホ川沿いにトレドの廻りを1周する。主要な歴史的建造物の近くに来ると、スペイン語と英語で説明が流れる。しかし…石畳とあって揺れがものすごい。あががががががが。喋っていたら舌を噛みそうだ。
城壁の外の一般道に出ると、揺れはだいぶおさまった。けれど結構なスピードは出ているのできれいな写真を撮るのは至難の技。
ならば写真は諦めて風景を自分の眼と脳に焼き付けることに専念すれば良いのだが、そこは観光客の哀しさで、みんな必死でソニーやキヤノンのデジカメを窓から差し出している。あとででき上がった写真を見たら、ブレたり斜めになっていたりでまともなものはほとんどなかった。
ソコトレンはアルカンタラ橋やサン・マルティン橋を右手に見ながら進み、やがてタホ川を見下ろして町の対岸に位置する高台へ。
ここから眺めるトレドの町は、これが本当に人の手でつくられたのだろうかと思うほどの絶景だ。
さっき「あまり美しくない」と思ったアルカサルも、こうして「トレド全景」の一部として見るとカテドラルと絶妙のバランスを誇り、やはりあの形でなければいけないのだという気がしてくる。

ソコトレンを降りるとちょうどお昼時(日本人時間)。
適当に目についたBARに入る。選ぶのが面倒だったので定食にした。前菜、メイン、パン、飲み物にデザートまでついて9ユーロ。お得、というかむしろ胃弱にはキツい量。
重くなったお腹をかかえてカテドラルへ。

■カテドラル Catedral

公式サイト

入り口には大きなイサベル1世の絵が! 彼女の特別展をやっているなんて知らずに来たのだけど、偶然居合せることができてラッキー。
イサベル女王は昨年が没後500年で様々なイベントがあったようだが、この特別展もその一環らしい。
トレドの町は細い道が入り組んでいて、ほとんどの場所からはカテドラルの全体像は見えない。中に入って始めてその大きさを実感する。広い上に薄暗いので、どちらが西でどちらが東なのか、一瞬方向を見失ってしまう。
このカテドラルには、スペインの首座司教座が置かれている。つまりはカトリック大国スペインの、ここが総本山というわけだ。代々の「トレド大司教」はスペイン史においても重要な役割を果たした。

広い空間をLA CORONA DE UNA REINA、LA HUMANIDAD DE UNA REINA、EL LEGADO DE UNA REINAの3つのパートに区切って、イサベル女王の人生と業績を紹介していた。
女王の所持していた十字架や、絵画、聖像などと一緒にイサベル本人の肖像画が展示されている。プラドにいらっしゃらないと思ったら、ここに来てらしたのね陛下。



Isabel la Católica

ブルゴーニュ公妃となっていたフアナ王女が母イサベルに贈ったフランドル製のタピスリーも何枚かあった。

古い大聖堂や教会には歴史上の有名人が眠っていることが多く要チェックである。残念ながらクリプトには入れなかったが、エンリケ2世とフアナ・マヌエル妃、その孫エンリケ3世とカタリーナ妃の横臥像があったので、彼らの墓所もここにあるのだろうかと思った。
ひとつショックだったこと。私は、教会を訪れたときは気に入った礼拝堂に蝋燭を奉献するのを楽しみにしている(修復や維持にかかる費用の足しになればという思いもある)。が、このカテドラルにあったのは蝋燭ではなく、蝋燭の形をした電球だった。お金を入れると電気がつくようになっている。
清掃を簡略化し、また火事などを起こさないための配慮なのだろうが、こんなことでいいのかカトリック女王イサベルよ。こんなの初めて見たよ。

結局30分以上中にいた。イサベル展は良かったけれど、展示に気をとられて大聖堂本来の荘厳さはわかりにくくなっているような気もする。
附属の美術館(こちらは常設)にはエル・グレコやヴァン・ダイク、カラヴァッジョの絵があり。なお、聖堂内部は撮影不可。

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