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2004.9.28(火)

シント・イデスバルト St.Idesbald

さわやかに起床。
昨夜の蚊の姿はなく、不思議にどこも刺されていないようだった。夏も終わりに近づいて、弱っていたのかもしれない。
「秋まで生き残されている蚊を哀蚊と言うのじゃ。蚊燻しは焚かぬもの。不憫の故にな。」(太宰治『葉』)

朝食をとるため階下に降りていく。
客層はリッチそうな熟年夫婦が中心のよう。
朝食のメニューはバイキング形式でかなり豪華。チーズやハムも個別パックじゃなくて、大きな塊から自分で切り分けるのですっ。感動。
プレザーブの種類も豊富だし、デザートもいろいろあるし、あれもこれもと迷ってしまう。
しかし、私は朝から張り切って食べると必ず腹痛を起こしてしまうという、「ちびまる子ちゃん」の山根君なみに脆弱な胃腸の持主なのであった。無念だが、腹四分目くらいにとどめておく。めそめそ。

腹ごしらえができた所でホテルを出る。
広場からつづく広くてきれいな通りを歩いていくと、あっという間に駅についた。
どうして昨日はあんなに迷ったのか、自分自身が分からない。

ブルージュからシント・イデスバルトまでは、まずは電車でオステンドへ行き、そこからさらにトラムに乗ることになる。
オステンドの駅に到着し、ちょうど停まっていたトラムの運転手さんに「シント・イデスバルト行く?」と聞く。そうだというので乗りこもうとしたら、「切符はあっちの売場で買って」とのこと。車内で買えないのか。
小走りに売場に走ると、窓口おばちゃんに早口で何か言われた。ぽかんとしていると、フランス語に切り替えて
「Où tu vas?」
ああ一律料金じゃないのか。しかしタメ口かよ…と思いつつも行先を告げ、切符を受けとる。そしてトラムにダッシュ。私が乗りこむとすぐに発車した。

トラムはしばらくの間海岸沿いを走る。
オステンドはリゾート地として有名で、夏ともなるとたくさんのバカンス客がやってくるそうだが、季節外れの海は閑散としている。海岸を馬に乗って行く人がいる。曇天が重く垂れこめて陰鬱な雰囲気だ。スピリアールトの世界。
市内にはアンソールが住んだ家が美術館となって残っているそうだが、時間がないので今回は見送りだ。

シント・イデスバルトの停留所は何の変哲もない道端にあった。
『地球の歩き方』には「トラムを降りてすぐ観光案内所があるので、そこで情報をゲットしよう!」と書いてあるんだが、案内所なんてないぞオイ。
トラムの進行方向に十字路があり、人がたくさん歩いていたのでそっちの方に向けて歩き出す。ふと見ると、十字路に「デルヴォー美術館」の標識があった。
十字路を左折し、歩き出す。商店やガソリンスタンドがあって、ややにぎやかな通り。
…だと思ったのもつかの間、しばらく行くとまた人通りもまばらになってしまった。
不安になり始めた頃、右手にまた標識を発見。ここを右折すると、もうほんとにただの住宅街だった。こんなところに美術館があるんだろうか……。


デルヴォー美術館へ続く道


海のそばだからなのか、風が吹き付けて寒い。マフラー替わりのストールを首に固く巻き着ける。
つきあたりに三つ目の標識。それに従って左折すると、デルヴォー美術館はすぐそこだった。
駐車場には観光バスが停まっていて、団体客が降りてくるところだった。ワロンの人なのかフランスからの観光客なのかは不明だが、フランス語を喋っている。

■デルヴォー美術館 Delvaux Museum


公式サイト

中に入ると暖かくてほっとした。
デルヴォーのアトリエとして使われていたという建物は、外から見た印象よりも奥行きがあって広々としている。
油彩画の点数はそう多くはないが、パステル、水彩画などの習作とおぼしきもの、そしておびただしいデッサンがある。

面白かったのはデルヴォーのコレクション。骨格標本、船の模型、人形などなど。
人形の中にはお手伝いさんがつくったもの(下左側の写真中央)や、日本の張り子の虎などもあった。
特に鉄道模型のコレクションは膨大で、てっちゃんとしてのデルヴォーの姿を偲ばせる。

売店にはデルヴォーの絵葉書がたくさん売られていた。迷ったものの、「ブリュッセルの王立美術館でも買えるだろう」と思い、カタログだけ買って美術館を出る。しかしこの時の判断を、私はのちに深く後悔することになるのであった……。(←おおげさ)


再現されたアトリエ


再びトラムでオステンドの駅まで戻る。
往路とは別の路線なので、違った風景を楽しむことができた。途中、道端に真っ赤に錆び付いた驢馬の像を見た。



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