津軽通信2009 2009.6.18-6.21


「ね、なぜ旅に出るの?」
「苦しいからさ。」
「あなたの(苦しい)は、おきまりで、ちっとも信用できません。」
「正岡子規三十六、尾崎紅葉三十七、斎藤緑雨三十八、国木田独歩三十八、長塚節三十七、芥川龍之介三十六、嘉村礒多三十七。」
「それは、何の事なの?」
「あいつらの死んだとしさ。ばたばた死んでいる。おれもそろそろ、そのとしだ。作家にとって、これくらいの年齢の時が、一ばん大事で、」
「そうして、苦しい時なの?」
「何を言ってやがる。ふざけちゃいけない。お前にだって、少しは、わかっている筈だがね。もう、これ以上は言わん。言うと、気障になる。おい、おれは旅に出るよ。」
 太宰治『津軽』(新潮文庫)pp27-28

前回の津軽旅行から早くも6



写真:日本聖公会弘前昇天教会教会堂



■旅の目的

前回の津軽旅行から早くも6年が過ぎ、当時導入したばかりだったデジカメは代替わりして4代目になり、当然のことながら私も6歳年を取った。
おれもそろそろ、そのとしだ!!
折しも今年は太宰生誕100年の記念すべき年。せっかくならば太宰の産まれた土地で祝いたい。仕事のスケジュールがどうなるか微妙だったが、見切り発車で2ヶ月前に航空券を押さえる。ダザイストの先輩である母に打診してみたら一緒に行きたいというので、今回は二人での旅行である。

母:

ダザイスト歴約45年。だがここ数年は三島に浮気していた。『津軽・斜陽の家』と『津島家の人々』を読み、太宰の長兄文治さんのファンになった。

私:

ダザイスト歴約15年。『駆け込み訴え』『右大臣実朝』など中期の作品を特に好む。あと太宰の三兄圭治さんの顔が好き。

二人とも津軽は2003年にそれぞれ別々に訪れており(私は一人で、母は友人と)、今回が二度目の訪問になる。なぜ一緒に来なかったのか今となっては謎だが、初めての土地は一人で心ゆくまで堪能したいと私が希望したのだと思う。

■日程





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