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滯英日記 >> レスター(3)

■キャッスル・パーク Castle park

城址の中で、運河沿いの一帯はキャッスル・パークと呼ばれる公園になっている。さほど広くないが、きれいに整備されて地元の人の憩いの場となっているようだった。
公園の北端にはリチャード3世像が建つ。

噂には聞いていたが、すごく老けている。さすがにリチャード3世協会が造らせただけあって、テューダー史観の「醜いせむし」ではないけれど。
王冠が頭に比してずいぶん大きく見えるのは、兜の上からかぶるタイプのものだからか。
写真は老け顔が目立たない角度で撮ってみた。

■ソア川とボウ橋  River Soar and Bow Bridge

そのまま公園を出て左方向に歩くとソア川にかかるボウ橋にたどり着く。
ボズワースの戦いでヘンリー・テューダーの前に斃れたリチャード3世の遺体は、裸にされて汚辱を加えられた後、レスターに運ばれて晒された。晒された場所は前述のthe Collegiate Church of the Annunciation of St. Maryだという説もあればSt.Mary de Castroだとも言われていてはっきりしない。
数日後、遺体はグレイフライヤーズに埋葬されたが、ヘンリー8世の時代に修道院が閉鎖・破壊されると、リチャードの遺骨も掘り返され、ボウ橋のたもとからソア川に投げ棄てられたとされる。ただしこの話は伝承の域を出ないらしく、リチャードの遺骨がどうなったのか、正確なところは分かっていない。


橋にはリチャードの徽章が。


ボウ橋の上に経ってソア川を覗くと、流れはほとんどなく、大量の空き缶や紙くずが浮いていて暗澹たる気分になった。仮にも王として聖別された人間の遺骨がこんな汚い川に棄てられるなどということがあって良いのだろうか。テューダー朝の時代には空き缶はなかっただろうけれど。

■ジュリー・ウォール・ミュージアム Jewry Wall Museum

英国最大と言われるローマの浴場の遺構。その横には博物館も設置されている。
ローマにはあまり興味がないと思っていたが、解説内容はけっこう面白かった。

写真はGlen Parva Ladyと呼ばれる、近隣で発掘された若いサクソン人女性の遺骨。
彼女の装身具などから生前の姿を復元して遺骨のそばに展示している。

■グレイフライヤーズ跡地 Grey Friars

最後にもう一度グレイ・フライヤーズ跡地の周りを回ってみたが、やはり銘板を見つけることはできなかった。跡地の一部は駐車場になっている。駐車場内のどこかに修道院の壁の一部が残っていると聞いたが、中に入れなかったので現物は確かめていない。

ご飯を食べるところを探して街を歩くが、日曜ということもあって開いているのは一人では入りにくそうなレストランか、でなければスタバ、マック、サブウェイ、バーガーキング。
それはさすがに、と思ってスーパーを探すがこれまたない。
結局、THE LAST PLANTAGENET(名前が気に入った)というファミレスでご飯を食べることに。注文方法が分からずおたおたしていると、お客のおじさんが「カウンターで注文して、お金先に払って、テーブル番号を言えば料理を持ってきてくれるよ」と教えてくれる。なるほど各テーブルに番号がふってある。

ホテルに戻ってからWhite Boar Inn跡を見ていないことを思い出した。リチャード3世が最後の戦いに赴く前夜に泊まったとされる宿である。明日ボズワースに行く前に立ち寄ろう。

2012年9月12日、グレイフライヤーズ跡地の駐車場から、成人男性の遺骨が発掘された。
遺骨に戦傷と思われる傷が確認できること、また、発見された場所が記録に残されているリチャード3世の埋葬地と一致していることなどから、遺骨はリチャード3世本人の可能性が高いとされ、近くDNA鑑定が行われるという。(2012.9.24追記)


2013年2月4日、レスター大学を中心とする研究チームは会見を行い、調査の結果、駐車場から発見された人骨はリチャード3世のものと断定したと発表した。調査はDNA鑑定、放射性炭素年代測定法、骨考古学検査等複数の鑑定法を組み合わせて行われた。遺骨はレスター大聖堂に埋葬される見込みで、遺骨発見跡地にはビジターセンターが建設される予定。(2012.2.10追記)




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